今回の記事では
不動産投資を始めるうえで融資を受けるための事業計画書の作り方についてお話をします。
金融機関が求める事業計画書を作成に必要な情報を理解する事ができます。
さしとかです。
不動産投資で現在購入した駐車場や戸建、アパートで6箇所ほど融資を受けています。物件をキャッシュで買えるような規模になりたいです。不動産投資を始めるにあたって一番の大きな壁は不動産を購入できる資金を用意できるかということです。不動産価格が1,000万以上になると現金で購入出来る方は限りなく少なくなります。そこで金融機関から借入を行います。
しかし、現在は不動産投資においてかぼちゃの馬車の事件やTATERUの融資改竄事件以降、金融機関からの融資の審査は厳しくなっています。しかし、そんな中でも金融機関からの借入をできる可能性をあげる方法があります。それは『事業計画書』を事実に基づいてしっかりと作り込むことです。
不動産投資を始めたい方は金融機関が求める事業計画書を作成することができれば、借入の可能性をあげることができます。
実際の金融機関の方から事業計画書の重要性について聞いてみた
金融機関の方が事業計画書についておっしゃっていたのは以下の通りです。
①事業に対して、借主がどういった考えを持って事業に取り組もうとしているのか
②不動産賃貸業が事業として収支が取れる見込みがあるのか
①事業に対して、借主がどういった考えを持って事業に取り組もうとしているのか
まず最初に知っておいて欲しいのは、金融機関に対して不動産投資という言葉は使わない方が良いです。不動産投資は投資としての側面は大きいものの、正確には『不動産賃貸業』という事業です。満室経営を目指し、入居者に住み良い住環境を提供することが目的です。
以下は一例ですが
→ サラリーマンの所得では不足してるため所得を補うために比較的時間の制約の少ない不動産賃貸業を選択した。
→ 色々な副業がある中でDIYが得意だったので賃貸業を選択した
この事業を選んだ理由をしっかりと答えられるようにしましょう。選んだ理由はしっかりと答えられるようにしたいですね。
一方で初めて不動産投資をしたいという方は事業実績がないので、属性などの情報を除くと、事業計画書での判断材料しかないとのことでした。金融機関から借入を行いたい方が、どのくらいの事業規模で今後の展開を思い描いているか金融機関の方に伝えるには事業計画書という目に見える形のものが必要になってきます。
②不動産賃貸業が事業として収支が取れる見込みがあるのか
どんな物件を金融機関に持ち込むかにもよりますが、もし不動産が購入できた後に返済が滞りなく行える状態になっているのか十分にシュミレーションされた資料が必要です。よほど土地評価より安く購入できて、キャピタルゲインが得やすい可能性があれば収支が多少悪くても金融機関から融資を借りられる可能性もあります。まずは想定する購入物件が事業として利益が出せる状態なのか目に見える形にしましょう。
事業計画書に必要な項目とは
インターネット場でも事業計画書と検索するとフォーマットもありますので基本的にはそういったものを活用する形で問題ないです。ただし、初めて金融機関に収益物件の案件を持ち込む上で必要な内容は以下の内容が最低でも必要です。
事業計画書
簡単にですが、以下の項目は最低必要な情報です。
・創業の目的、動機
なぜ不動産賃貸業を選んだのか、理由を記載しましょう。空き家問題を解決したい!とか良い住居を提供したいとか、社会問題と結びつけられるとなおのこと良いですね。
・取扱う商品やサービス
築古戸建や地方RC、マンションなど不動産投資にも色々な分野がありますので、それを選ぶ理由を記載する必要があります。私の場合は木造築古を中心に購入をし、賃貸を行っております。木造物件は修繕がしやすく、固定資産税などが安い、など対象物件を絞っている理由をお伝えしています。
・セールスポイント
ご自身のセールスポイントがあれば記載をしましょう。手先が器用でDIYをやってコストをかけない手法を行っていく、建築・内装屋さんに知り合いがいるのでコストを通常の○%くらい下げられる、表面利回り12%以上に絞って投資を実施する、など何か強み記載しましょう。
その他、市場を分析した資料や空室率の調査、家賃帯の調査などもご自身で行えていて資料にまとめられると良いでしょう。
プロフィールシート
プロフィールシートはご自身がどういった経歴なのか、資産状況がどういった状態なのかがわかる資料を指します。以下のような項目を記載が必要です。
・名前
・生年月日
・住所、連絡先
・勤め先
・年収
・持ち家あり、なし ローンあり、なし
・世帯の資産状況(現金や株式、保険など)
・その他、ローンなどの残債など
※結婚されている場合であれば、結婚相手の同様の情報を記載。
上記を証明するために源泉徴収票や通帳のコピー、借入の状況を証明できるもののコピーなども同時に提出も必要です。作成した書類のエビデンスが求められます。金融機関に提出できる情報は最大限提出をして信頼を勝ち取りましょう!
購入予定物件の運営シュミレーション資料の作成
事業計画書とプロフィールシートに合わせて購入予定物件の運営シュミレーションの資料作成が必要になります。シュミレーションをご自身で十分に行う事で不動産を購入して失敗する可能性を減らすことができます。不動産屋さんが出してきた書類を鵜呑みにせず、ご自身の頭と目で確認する事が大切です。
少し細かくなりますが以下のような項目を記載を記載し、手残りがどのくらいになるのかわかるような書式を作成する必要があります。
銀行への打診内容
・ローン借入金
・希望金利
・金利内容 固定なのか変動なのか
・期間(年)
・ローン返済(月)
まずは銀行からいくら借入をして、いくらの金利で何年の返済で希望なのかを出す必要があります。最近は本当に耐用年数分〜10年以内くらいでないと厳しいと言われる場合も多いです。
物件の購入時にかかる費用(導入コスト)
物件を購入する際に融資を使うことを想定した場合の費用も折り込みましょう。
・物件購入価格
・登記費用
・銀行手数料
・印紙代・仲介手数料
・火災保険料
・不動産所得税
物件購入価格に対して7%〜10%くらいの費用が別途かかってきます。物件購入価格以外の内容も考慮しないと、物件購入の際にお金が足りないということもありますので注意しましょう。
家賃収入とランニングコスト
家賃収入に対してランニングコストがどのくらいかかるのかしっかりシュミレーションする必要があります。
1)売上:年間家賃収入
2)ランニングコスト(年間)
・固定資産税
・管理費用
・電気代
・町内会費(家賃と別途徴収の場合もある)
以下は物件によってです。
・水道代
・日常清掃
・消防設備点検受水槽点検
・清掃浄化槽保守点検
・インターネット
1)- 2)= 年間キャッシュフロー
年間キャッシュフロー - その他の修繕・修繕積立金 = 手残り
その他シュミレーションが必要な内容
その他以下のことも想定する必要があります。
・家賃下落率 毎年1%ずつ下がるなど家賃が永久に一定とは限らないので、根拠ある数字をだす
・退去した後の客付入居時の仲介手数料(家賃1ヶ月分)
・入居率 80〜90%で想定する
シュミレーションに必要な材料はざっと書き出すとこんな感じです。 結構多いですよね。ただしこのくらい慎重にシュミレーションをしないと最初はうまくいかないです。一番最初の購入は特にいきなり良い物件を買える事は稀ですし、次の融資につなぐためにも大きな失敗もできないので細かくシュミレーションをする必要があります。
…ただし、0から上記の細かい内容をシュミレーションするのは正直大変ですよね。こちらのシュミレーションに加えて
・売却時手残り試算
・個人税・法人税率計算
なども見る事ができる『玉川式不動産収益試算Excelシート』なるものが存在します。このシートは本当に細かい部分までシュミレーションでき、デットクロスなども予想できるスーパーExcelファイルです!最新バージョンについては以下の書籍を購入するとダウンロードできます。古いバージョンについてはインターネットで検索するとダウンロードも可能です。
こちらの『玉川式不動産収益試算Excelシート』は非常に精密で素晴らしい内容ですが、不動産投資って思ったより儲からないな…とも理解させてくれます…。内容を理解するには書籍も合わせて読むととてもよいです!
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まとめ 融資の壁を事業計画書で乗り越えよう
融資を受けるためには金融機関の信用が必要です。資産状況や属性なども大切ではありますが、事業に対して計画を行い、対応できるかが重要になります。なぜなら最終的なゴールは不動産賃貸業をうまく運営し、利益を出すことです。
属性や資産状況があっても、事業計画が十分でなければ運用できなくなってしまいます。
不動産賃貸業は情報も揃っていますのでシュミレーションも行いやすいです。金融機関から融資を引くためには事業主として認めてもらうためのビジョンをしっかり提示できるような事業計画を作成し、融資の壁を乗り越えたいですね。